鋼のメンタルで戦力外危機を乗り越えたインテル長友 不屈のダイナモを突き動かす「信念」と「危機感」

指揮官の信頼を取り戻すも慢心はない

 だが、不屈の男は腐らなかった。練習で誰よりも真摯に取り組んだ。監督をもう一度振り向かせるために、愚直に、必死にアピールを続けた。

「僕はそれを信じて日々やっていました。でも、まだ(スタメンで)3試合しか出ていないので、次の試合でダメだったら試合に出られなくなる。危機感を持ってやっていかないと。サイドバックもね、7人ぐらいいるので。だから勝負は続きます」

 インテルは今夏の移籍市場終盤で、マンチーニ監督がガラタサライで指導した愛弟子のブラジル人DFアレックス・テレスを獲得するなど、サイドバックの人員はだぶついている。ダイナモに、まだまだ慢心する余裕はない。

 昨夏のブラジル・ワールドカップでは、「世界一を目指す」と公言しながら、グループリーグで1勝も挙げられないという厳しい現実に直面した。その後はしばらく、意欲も沸かない空虚な日々を過ごした。そして、昨季は故障に苦しみ、パフォーマンスを落とした。鋼のメンタルで地獄の季節を乗り越えた長友の逆襲は、これから本格化を迎えそうだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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