鋼のメンタルで戦力外危機を乗り越えたインテル長友 不屈のダイナモを突き動かす「信念」と「危機感」
不遇の時を耐え、直近4試合で3試合に先発
インテルの日本代表DF長友佑都は、今夏の移籍市場で放出要員として過酷な日々を過ごした。地元紙ではトルコの強豪ガラタサライなどへの移籍話が連日報道され、親善試合ではサブ組。しかも、4バックの布陣で起用されるポジションが攻撃的MFという、事実上の戦力外の扱いをロベルト・マンチーニ監督から受けていた。
そうした不遇に耐え続けてきた長友は、直近のリーグ戦4試合中3試合で先発出場。10月31日のローマとの首位攻防戦では、エジプト代表サラー、コートジボワール代表ジルビーニョというスピードスターの突進を食い止め、勝利に貢献したことで、指揮官の評価を一気に高めた。11月8日の敵地トリノ戦ではFKでゴールを演出し、試合途中からはキャプテンマークを腕に巻いた。
地獄から天国へと這い上がった長友だが、自分自身の中ではなんの変化もないという。日本代表に合流し、シンガポール戦の前日練習を終えた後、ダイナモは「モチベーションは前から変わらないですよ。試合に出ていても、出ていなくても。コンディションは試合より練習のほうがきつかった。追い込んでいたぐらいなので。全然問題ないです、変わってないです」と語った。
マンチーニ監督から必要とされず、不遇の時を味わっていても、愛するインテル残留の道を選んだ長友。だが、シーズン開幕直後にも苦難が待っていた。8月30日の第2節カルピ戦の終盤に投入され、今季のリーグ戦初出場を果たすも、失点に絡んでしまう。マンチーニ監督に叱責され、その後のリーグ戦は6試合連続でベンチを温め続けた。
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