女子サッカーの未来を見つめる宮間の求道心 「路線を間違えず、まっすぐに向き合いたい」
リオでサッカー少女のような笑顔を――
1985年生まれの宮間は、今年で30歳になった。2011年の女子ワールドカップ・ドイツ大会で優勝した後に、なでしこジャパンのキャプテンマークを巻くようになってから、4年以上の月日が過ぎている。強い責任感の持ち主が、その間に抱えてきた肉体的、精神的な疲労はとても大きいのではないかと、外からは想像してしまう。
しかし、屈託のないサッカー少女そのままの笑顔で、宮間は言う。
「もう30ですけど、サッカーをやれる日々が嬉しいんです。疲れなんて関係なく、やらせてもらっています」
来年はリオデジャネイロ五輪に向けた予選と本大会があり、女子サッカーにとって大きな1年になる。今や“日本女子サッカーの伝道者”とでも言うべき存在の、小さくも偉大なキャプテンにかかる期待とプレッシャーの大きさは相当なものだ。それでも、きっと宮間は変わらずにサッカーと向き合っていくのだろう。キャプテンマークを巻いた宮間が、リオの大舞台で金メダルを手に笑顔を見せる瞬間を、誰もが待ち望んでいる。
【了】
轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada
荒川祐史●写真 photos by Yuji Arakawa