日本の10番MF中島翔哉は“諸刃の剣”? チリ戦大敗で露呈…チームに強いる守備の負担

今の中島は攻撃で絶大な効力をもたらす一方、守備の“穴”となり得る存在

 攻撃で絶大な効力をもたらす一方、守備の“穴”となり得るのが今の中島だ。実際、後半9分のシーンでは、チリが日本のゴール前に猛然と攻め込むなか、日本の最終ラインと2ボランチが全体的に下がっていくなか、中島は戻る気配を一切見せずにゆっくりと前方に向かって歩き始めた。

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 中島がマークすべきDFマウリシオ・イスラを完全にフリーにしてしまい、中央から右サイドを駆け上がったイスラへ展開。左サイドバックの杉岡が機転を利かせてスライドしたが間に合わず、混乱のなかで中央にパスを通されてMFエドゥアルド・バルガス(UANLティグレス)に決められた。

 このシュートを打たれた場面だけを切り取れば、ボランチ中山の寄せが遅く映ってしまうが、守備が破綻をきたした一因は左サイドの守備にある。中島自身も「戻るシーンは戻らなくてはいけなくて、2失点目は戻り切れなかった」と悔やんだ。

 もっとも前半37分にチリのカウンターを受けた際、中島は自陣ゴール前に猛然と戻ってクリアするなど、ピンチを救った場面もある。守備意識は備えているだけに、自身の攻撃性能を最大限に生かしたうえで、守備のバランスをどう取るかは今後の課題だろう。

 また、チームにおける中島の活用法において問われるのは、森保監督の手腕だ。中島の攻撃性能を損なう戦術を強いれば宝の持ち腐れとなるなか、その個性を生かしたままチーム戦術に落とし込めるのか。指揮官が“強力なピース”をどう埋め込んでいくのかは、今後の大きな注目ポイントとなる。

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