W杯決勝惨敗の悔しさを抱きながら―― キャプテン岩清水が手にした「両極端」な歓喜の瞬間
メニーナ時代からの恩師、寺谷前監督に捧げる優勝
5年ぶりの栄冠に、キャプテンは安堵の表情を見せた。なでしこジャパンDFで日テレ・ベレーザの岩清水梓はリーグ表彰式に出席。リーグ優勝を果たした名門ベレーザのキャプテンとして「長かったですね」と語った。
「自分がキャプテンとしてなかなか優勝ができず、長かったという気持ちはあります。でも、それくらいでないと本当に強くはなれないですから。そういう意味でも、年数が必要だったのかなと思います」
ベレーザは日本女子サッカーリーグとしての創設以来、5位と3位が一度ずつあるだけで、他はすべて優勝か2位という名門チームだ。自身も下部組織である日テレ・メニーナの出身であり、その強さの秘訣を、長らくメニーナの監督として選手育成に携わってきた寺谷真弓前監督(現女子グループテクニカルダイレクター)の功績が大きいと振り返る。
「テラ(寺谷)さんに、本当に感謝しています。私も含め、若い選手たちは育成の時から本当に成長させてもらいました。それがあったからこそ、選手としての土台ができていると思います。もちろん、今年は森(栄次)監督の指揮があってこその優勝ですけど、テラさんの力なしにベレーザの優勝は語れないと思います」
「怖くて直接言えないので」と、笑いながら岩清水は語った。寺谷前監督の指導の中で印象に残ることは、「強いチームはどんなグラウンドでも強い。上手い選手は、どんな場所でも技術を発揮できるんだ」という言葉。基礎の重要性を常に学んできたことが、多くの選手がメニーナから昇格して主力となり、ベレーザの力になっている秘訣だと語った。
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