「21-18」の衝撃スコア…計39ゴールの乱打戦が発生 背景にある“切実な理由”とは?
マカオのカップ戦で前代未聞の事態 テロの影響によるW杯予選辞退に抗議
試合終了時のスコアは、21-18。一見何の競技かと思いきや、90分間でのサッカーの結果だ。こんな前代未聞のゲームがマカオの公式戦で起こったと英公共放送「BBC」が伝えているが、その理由はワールドカップ(W杯)をめぐっての“メッセージ”なのだという。
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同局が大きく報じているのは、現地時間16日に開催されたマカオのカップ戦であるFA杯、名門世家加義と恆勢体育会というチーム同士の一戦だ。試合はなんと両チーム合わせて計39ゴールが乱れ飛ぶ前代未聞の乱打戦となった。記事によると、その不可思議な展開をこのように記している。
「選手は相手からのプレッシャーを受けない状態でスコアを積み重ねることが認められ、ある段階に入ると、ゴールキーパーもその流れに乗るようになって、ピッチを駆け上がってゴールを決めたほどだ。加義はハーフタイム時点で6-5のリードを奪い、スコアボードは21-17の時点で動くことをやめた」
3分に一度でも間に合わないようなゴールペースだが、なぜこんな試合展開になってしまったのか。それは2022年カタールW杯アジア予選が背景にあるようだ。
現在行われている1次予選でマカオはスリランカと対戦。6日に行われたホームでの第1戦では1-0と勝利した。しかし本来11日に行われるはずだった敵地での第2戦について、マカオサッカー協会が4月にスリランカで起きた国内テロ事件の影響を懸念。希望していた中立地開催が通らなかったことで代表を派遣せず、予選を辞退することを決めたのだ。今回のゴールラッシュは、この決断に対しての抗議だという。
加義のクラブ関係者は前もって選手たちがこのような展開にするとは予測していなかったと謝罪。その一方で主将を務めるニコラス・トラーオはFIFA(国際サッカー連盟)とAFC(アジアサッカー連盟)に対して試合のスケジュール変更を要求。このようにも話していたという。
「マカオサッカー協会が遠征を拒否し、スリランカのホームの第2戦が中止になったことに対して、選手たちはできる限りのことをした。この美しいゲームに全力を尽くせる機会を与えてほしいんだ」
戦わずしてW杯の扉を閉ざされたくない――そんな切実さがにじみ出ている。果たしてマカオの選手たちの思いは関係各所を動かすのだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)