ブラジル人識者がコパのグループ展望 日本代表、“成功のシナリオ”の鍵は「勝ち点4」

エクアドル戦勝利、残りの2カ国との対戦で勝ち点1を積み上げれば3位突破の道も…

 では、日本の決勝トーナメント進出の可能性はどうか。バラン氏は“条件付き”でグループリーグ突破のシナリオを推測する。

「日本が1位通過するのは、非常に難しいだろう。2位で通過するのも難しい。でも、今大会ではグループ3位のなかで上位2チームが決勝トーナメントに進出できる。もしエクアドルが予想よりも少し強くて、日本以外のチームからなんらかの勝ち点を奪うようなら、グループは混戦となる。でも、そうならなければ、ウルグアイとチリは、エクアドルに勝ったうえで、その他の試合の関係で1位、2位どちらかで突破するだろう。日本はその時、エクアドルには勝たなければならない。そして、ウルグアイかチリのいずれかに対して、もう1ポイントを奪って、トータルの勝ち点を4にすることだ。3位のなかで上位2チームとして、グループリーグを突破するためにね」

 最後にバラン氏は、ブラジル人の1人として日本にエールを送ってくれた。

「僕らブラジル人はいつでも日本が好きだし、応援しているんだ。地球の反対側の国だとはいえ、サッカーで言えば、強い絆があるからね。多くのブラジル人選手が日本で輝きを放ってきた。だから、このブラジルの地で健闘してほしい。南米の大会で強い印象を残してくれることを願っているよ。それから、僕は以前から、日本人選手と言えば、中田英寿が好きだと言ってきたんだけど、彼は僕だけじゃなく、日本サッカーに特に詳しくない人でも、誰でも知っていた。そういう選手が、また出てくると良いよね」

 “本気”の南米勢と相手のホームで戦い、どこまで渡り合えるか、日本の現在地を測るうえで貴重な大会となるのは間違いない。

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(藤原清美 / Kiyomi Fujiwara)



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藤原清美

ふじわら・きよみ/2001年にリオデジャネイロへ拠点を移し、スポーツやドキュメンタリー、紀行などの分野で取材活動。特に、サッカーではブラジル代表チームや選手の取材で世界中を飛び回り、日本とブラジル両国のテレビ・執筆などで活躍している。ワールドカップ6大会取材。著書に『セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉』(ソル・メディア)『感動!ブラジルサッカー』(講談社現代新書)。YouTubeチャンネル『Planeta Kiyomi』も運営中。

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