3バック採用と“森保流”の日本代表強化策 今後のメンバー選考における見どころは?

キーワードは「傑出した個の強さ」と「ポリバレント」

 そして、シャドーの選手がDFとMFの間のスペースで受けられた時には、そのシャドーの選手のインスピレーションに期待せざるを得ない。間で受けられたとしてもセオリーどおりに進めれば、瞬間的にフリーになるWBにボールを渡すことになる。そうなればサイドから突破かクロスの2択になってしまう。そこで良い意味でセオリーを裏切り、トップの選手とのコンビネーションやスルーパス、中央突破といった攻撃のバリエーションを作れるインスピレーションに長けた選手がいると、ゴールへ迫る確率は高まるだろう。

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 また、森保監督はエルサルバドル戦後に「1つの形だけでなくて、試合の中でシステムを変えることや、我々が戦ううえで想定外が起きた時にどうやって修正していくか、臨機応変に柔軟に対応していくかというところは、わざと試合のなかでシステムを変えて選手たちに戦ってもらいました」と語ったように、試合中におけるシステム変更も想定しているようだ。可変式システムの導入に加え、23名と招集メンバーが限られることを加味すると、今後は複数ポジションをこなせる選手が重用されることも予想される。

「傑出した個の強さ」と「ポリバレント」。この二つのキーワードが、今後の代表選考におけるポイントになるのではないか。

 3バックの攻撃時だけにおける条件だけを考えると、WBではヘンクMF伊東純也とハノーファーMF原口元気が抜け出ている。しかし、4バックのSBもこなせるかという意味では、ポリバレントさには欠ける。

 そして、シャドーのポジションではアル・ドゥハイルのMF中島翔哉が、持ち前のインスピレーションを発揮し突出した存在となっている。また、FC東京のMF久保建英もその役割を担えることを証明した。ただし、ハイクロスに合わせられる競り合いの強さという点においては、両者とも物足りなさを感じる。

 このように、今後の招集メンバーを想像する楽しみを与えてくれることになった6月の国際親善試合2試合は、十分に価値のある成果を挙げたと言える。これまでのメンバーをベースにするとしても、WBやSBはそれぞれの長所があってそれを生かせば戦い方に幅を持てることが分かった。シャドーにおいても、チャンスメークを得意とする選手やゴールへ向かう姿勢を長所とする選手など、組み合わせによって大きく幅を持たせられることになった。

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