【高校選手権】埼玉県予選で4強が激突 西武台と正智深谷が決勝へ

正智深谷がPK戦を制し浦和東を下す

 第2試合は、1回戦からの4試合で延長戦とPK戦を一度ずつ制してきた正智深谷と、先頃スコットランドのダンディー・ユナイテッドへの加入合意が伝えられたGK川島永嗣の母校でもある浦和東の対戦となった。

 試合は両チームともに攻撃面で決め手を欠く展開になり、大きなチャンスが生まれることなく進んだ。この試合最大の決定機は、後半33分に迎えた浦和東のCKだった。左足の強烈なキックを持つMF望月海渡(3年)が蹴ったボールを、攻撃参加したDF高橋隼人(3年)がピタリと合わせたヘディングがゴールに飛んだが、正智深谷のMF小山開喜(2年)がゴールライン上でクリア。試合は延長戦でも決着がつかず、0-0のままPK戦にもつれ込んだ。

 浦和東はPK戦の直前に、GK高田維斗(3年)を送り込んで臨んだ。しかし、軍配は正智深谷のGK戸田海斗(2年)に上がった。戸田は3人目の望月のキックを「キックモーションが大きかったので、左にくると読んだ」と狙い通りのセーブを見せた。高田も期待に応えて正智深谷4人目の小山のキックをセーブしたが、浦和東は4人目のキッカーがゴールポストに当てて失敗。最後は正智深谷5人目の田島帆貴(2年)がゴール左隅に決め、決勝への切符をもぎ取った。

 正智深谷の小島時和監督は、「PKは気持ちだよ。外すイメージを持たずに蹴ろう。スタンドにも仲間が見守っているから」と声を掛けて選手を送り出したという。今大会で2度目のPK戦だったこともあり「戸田にはプラスだったのかな」とも話していた。決勝に向けては「力は向こうが一枚上だが、今の一戦一戦を勝ち抜く力をつけているチームだけに楽しみ」と、2年生主体の若いチームの成長に手応えを感じていた。

 埼玉172校の代表を決める決勝戦は、15日の14時5分に埼玉スタジアムでキックオフされる。西武台が勝利すれば5年ぶり4回目、正智深谷が勝利すれば3年ぶり2回目の全国出場となる。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

 

 

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