日本代表「エルサルバドル戦出場17人」を金田喜稔が採点 唯一の“5つ星”で称賛した選手は?
堂安のプレーからはパッションを感じなかった
■堂安 律(フローニンゲン)=★★★
堂安らしさをどれだけ出したかというと、トリニダード・トバゴ戦に続いて物足りなさが残った。仕掛けるシーンが少なく、ボールを受けて相手に囲まれると周りを使う。それ自体は別に悪いことではないが、重要なのはその後にどういう動きを見せて局面を打開していくのか。自らが“3人目の選手”となって、シュートに絡んでいくような動きはほとんど見せず、プレー全体からパッションを感じなかった。堂安はこれからの日本代表を背負っていく選手なのだから、どんな相手に対しても自らが局面を打開していくんだという覚悟を見せてほしかった。
■伊東純也(ヘンク/→後半14分OUT)=★★★
序盤に永井の前線からの追い込みによって相手のパスコースが限定され、伊東のスピードが生きたインターセプトからチャンスを作った。攻撃的な右ウイングバックとして期待を抱かせるシーンだったが、全体を通しては思ったほどのインパクトは残せなかった。もっと伊東自身のアイデアや周囲とのコンビネーションで、相手の守備組織を崩していくシーンを多く作ってほしかった。
■原口元気(ハノーファー/→後半22分OUT)=★★★
前半41分に左サイドを突破して、体を投げ出したクロスで永井の2点目をアシストしたプレーには原口らしさが出ていた。ただ左ウイングバックとして、試合を通して起点となり、自らの仕掛けによってチームを動かしていたのかというと、そうしたシーンは限られていた。
■小林祐希(ヘーレンフェーン/→後半35分OUT)=★★★
トリニダード・トバゴ戦でそこまでアピールできなかったこともあってか、たくさん顔を出してボールに触っていた。その意気込み、気持ちの入ったプレーは買いたいが、日本が圧倒的に支配したこの試合展開はボランチの選手が“落ち着かせるゲーム”ではない。「緩」の部分では貢献できていたが「急」の部分、チームの攻撃にスイッチを入れるところでは、まだ発信力が弱いように見える。もう少し自分の良さを、代表チームの中で知らしめることが必要だろう。
■橋本拳人(FC東京)=★★★
A代表の出場が2試合目というなかで、1対1の強さや切り替えの早さ、激しくいくところなど動きの質は良かった。もう少し攻撃面で持ち味を発揮したいところもあったが、90分を通して運動量も落ちず、全体的には無難にやれていた。今後に期待を抱かせる能力の高さは見せており、そのプレーからはJ1首位を走るチームの自信も感じさせた。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。