「いいバランス」 なでしこMF宇津木、フランスW杯初戦に生かす“12年前の経験則”

「守備の人数はいるけど、誰もボールへアプローチに行けないことが起こらないように」

 当時も、チームはアルゼンチンの映像を取り寄せて分析していたが、それでもそんな苦戦に陥った。準備段階と実戦で異なった点はどこだろうか。

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「自分たちが思っていたよりも、アルゼンチンの選手のシュートレンジが広かった。『ドリブルでコネコネと仕掛けてきて』というイメージだったんですけども、試合のなかでは『シュートレンジが広くて、迷いなく足を振ってくるなあ』と感じられました。それに対応するのに時間がかかった、という印象です」

 今大会のアルゼンチンも、攻撃パターンは決して多くはないが、ストライカーのシュートレンジは広く、フリーで打たせると強烈な一発が見舞われる。2007年の経験を糧に、宇津木は次のように準備している。

「(前回のようなことが)この大会でも起こった時に、自分たちが対応できるような試合にしたいと思います。自分たちは体が小さいので、守備のエリアも1人ずつがそんなに広いわけではない。ゴール前に選手が戻りすぎて、守備の人数は揃っているけれども、結局誰もボールへアプローチに行けないということが起こらないよう、そういう確認を事前にやっていけたらいいと思います」

 宇津木らの経験を糧にして、なでしこジャパンは現地時間10日(日本時間6月10日深夜25時キックオフ)、アルゼンチンとの初戦に臨む。単なるグループリーグの一戦ではなく、若いチームがいい雰囲気で大会へ入っていけるかどうか、重要な一戦になるだろう。

(西森 彰 / Akira Nishimori)



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