東京五輪代表への“融合”に期待! 大会取材記者が選ぶ「U-20W杯で輝いた俊英5人」
“違い”をもたらしたFW田川、世界の強豪国とも互角以上の戦いを展開
■藤本寛也(MF/東京ヴェルディ)
[2試合/169分出場・0得点]
アピール度=△
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コンディション不良などもあってプレー機会は少なかったものの、出場した試合で出色のプレーを見せていたのが藤本だ。高い技術力と確かな戦術眼を発揮して後方から巧みにボールを捌くと、精度の高い左足のキックで仲間のゴールを演出してみせた。
相手がボールを保持した時にまだまだ守備面で防波堤になり切れないところがあるが、ボランチからの組み立てという点では今大会の代表チームで屈指の力を持っていたことは間違いない。東京五輪代表には中山雄太(ズヴォレ)や松本泰志(サンフレッチェ広島)といった展開力に優れたボランチがおり、彼らを上回るためには攻守にさらなる成長が必要となるだろう。
■田川亨介(FW/FC東京)
[3試合/202分出場・1得点]
アピール度=◯
最も爆発が期待されたストライカーは、グループリーグ3試合1ゴールという結果を残して怪我のために無念の離脱となった。ただ、内容を振り返ればピッチで違いをもたらしていた一人と言っても過言ではない。相手の背後を取るスピードやフィジカルでも大きく当たり負けせず、世界の強豪国とも互角以上の戦いを展開した。
惜しむらくは、何度かあったチャンスを決め切れなかったこと。圧倒的なスピードは世界に対しても脅威となることが分かっただけに、あとはフィニッシュの精度を高めていきたい。東京五輪代表には時折招集されているため、今後チームでコンスタントに活躍することができれば来年の大舞台が見えてくるはずだ。
林 遼平
はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。