「凄いショックだった」 VARの“ゴール取り消し”と精神的ダメージ、日本の課題とは?
U-20W杯16強の韓国戦、郷家の一撃がノーゴールに… 変わった試合の流れ
U-20日本代表は現地時間4日、ポーランドで行われているU-20ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦で韓国と対戦し、主導権を握りながら試合を進めたが、終盤に失点を許して0-1の敗戦を喫した。
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この試合の一つのポイントとなったのが、後半5分のVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)によるゴール取り消しだった。その時の状況を踏まえた選手たちの反応から、日本全体が見つめなければいけない課題が浮き上がってくる。
序盤から試合を優勢に進めていた日本だが、後半に韓国がシステムチェンジを決行。徐々に相手の反撃に遭うことになる。そんななかで迎えた後半5分だった。右サイドからのFKはクリアされるも、ルーズボールを拾ったMF齊藤未月(湘南ベルマーレ)がゴール前にボールを入れる。これに反応したFW宮代大聖(川崎フロンターレ)が左足で合わせ、GKが弾いたボールをMF郷家友太(ヴィッセル神戸)がシュート。これがゴール左に決まり、日本に歓喜の輪が生まれた。
しかし、その後ピッチに戻ると、主審はVARによって宮代がオフサイドだったと判定。喜びもつかの間、ゴールは取り消しになった。ゴールを決めた郷家は「韓国が抗議していることは知らなかった。僕自身もすごく嬉しかったですし、これでチームの報いになれるんじゃないかというところでVARの判定が出てしまった。凄いショックだった」と振り返る。
チームに動揺が走ったのは間違いなかった。この後、立て続けに相手にチャンスを作られるなど、攻め込まれる場面が増加。徐々に足も止まり始めてしまう。宮代は当時のピッチの状況を回顧する。
「雰囲気が相手に行ったところもありましたけど、ここから声を出そうと言っていましたし、落ち過ぎてはいないと思います。だけど、もう1個、もう2個チャンスを作れていれば、まだまだこっちの流れに持っていけていたと思います」
一つのVAR判定により、変わった流れ――。終盤には自分たちのミスから失点を招き、最後までその1点を取り返すことができなかった。
林 遼平
はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。