王国ブラジルと、かつての黄金期超えを果たしたコロンビア 耳目を集める一戦が幕を開ける
エースを支える守備的MFの存在
この両エースをいかに抑えるかが勝利への近道となるが、彼らを抑えるにはどうすればいいのか。そこで鍵を握っているのは、両国の守備的MFの存在だ。
ブラジルには相手の攻撃の芽を摘むグスタボがいるが、前述したとおり、この試合はタッチラインの外から見守るしかできない状況だ。とはいえ、代役を務めるパウリーニョやフェルナンジーニョも、豊富な運動量と、球際の強さにも秀でた優秀なボランチである。ブラジルに不安材料があるとすれば、右サイドの守備だ。右サイドバックのダニエル・アウベスは優れた攻撃センスを持つ一方で、一対一での守備に不安を残す。ボランチは、ハメス・ロドリゲスに突破されないように、右サイドのカバーリングを常に意識しなければならないはずだ。
コロンビアの守備的MFは、カルロス・サンチェス。「岩」を意味する”La Roca”の愛称で知られるサンチェスは、その名の通り、頑強な体でアタッカーを完封する選手。ネイマールつぶしというタスクを課すにはうってつけの人材だ。
コロンビアは決勝トーナメント1回戦でブラジルと対戦したチリが、あと一歩、というところまで王国を押し込んだ様子を目の当たりにしている。チリは、ブラジル相手にポゼッション率でも上回った。コロンビアは、ブラジル対チリの試合を参考にしてゲームプランを練って来るだろう。
ブラジルとコロンビアは、共にトーナメント1回戦で同じ南米の相手を破って8強進出を果たした。今大会躍進著しい南米勢のつぶし合いになってしまうのは惜しい気もする。だが、いかに相手を出し抜き、相手に仕事をさせないか、そういった個と個のハイレベルな駆け引きが見られるだろう。おそらく今大会最大の緊張感に満ちた試合になるはずだ。個の試合は、眠い目をこすってでも見てほしいカードだ。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
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