“中島頼み”の副作用 森保体制初の3バック採用で露呈した「個の打開力」不足
4バック時よりも1人少ない1トップ+2シャドーで挑んだ一戦は無念のスコアレスドロー
森保一監督率いる日本代表は、5日に行われたキリンチャレンジカップのトリニダード・トバゴ戦で0-0のスコアレスドローに終わった。9月から始まるカタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選を見据え、3バックを初採用。しかし、シュート25本を放ちながらノーゴールと決定力不足を露呈。DF長友佑都(ガラタサライ)は「個人で打開できないと話にならない」と1トップ+2シャドーの“必須条件”を語っている。
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森保監督は体制発足後15試合目にして、初の3バック採用を決断。最終ラインにDF冨安健洋(シント=トロイデン)、DF昌子源(トゥールーズ)、DF畠中槙之輔(横浜F・マリノス)、ウイングバックにDF長友とDF酒井宏樹(マルセイユ)が配置され、前線3枚にはMF中島翔哉(アル・ドゥハイル)、MF堂安律(フローニンゲン)、FW大迫勇也(ブレーメン)が入った。
前半24分に大迫、その4分後には堂安がゴール前でシュートチャンスを迎えるも、相手GKの好セーブで得点ならず。前半42分の中島の直接FKはクロスバーに嫌われ、MF南野拓実(ザルツブルク)、MF伊東純也(ヘンク)を投入した後半も3度の決定機を逃した。
FIFAランキング93位と格下のトリニダード・トバゴに、ホームで無念のスコアレスドローで浮き彫りとなったのは、“中島頼み”の懸念材料だ。3バック時の1トップ+2シャドーは、4バック時の1トップ+2列目3人と比べて、枚数が1人少ない。それゆえ、引いた相手になればなるほど、前線3人への負担が大きくなる。大迫や堂安、途中出場の南野と伊東もチャンスに絡んだが、それは周囲のサポートを受けてのもの。個人で打開する脅威をトリニダード・トバゴに与えたのは、両軍最多のシュート7本を放った中島だけだった。