5年ぶりのA代表の舞台へ 万能アタッカーに託されたゴール量産の使命

欧州を経て磨いた強さと決定力

 ハリル監督が語ったように、10月31日のナビスコカップ決勝のG大阪戦で、タイトルをグッと引き寄せる2点目のゴールを奪っている。コーナーキックがファーサイドで折り返されたところで、180センチの金崎がマークについていた189センチの長身FWパトリックよりも頭一つ以上抜け出す高いジャンプで、ヘディングシュートを決めた。

 09年に初招集された当時の金崎は、スピード感のあるドリブルでサイドからゴール前に進出するイメージの強いプレーヤーだった。現在の日本代表メンバーで言えば、原口元気(ヘルタ)や宇佐美貴史(G大阪)に近いイメージと言えばいいだろう。それがヨーロッパでの武者修行を経て、スピードと運動量に加えて高さと強さ、決定力を兼ね備える万能型ストライカーへと変貌を遂げている。クロスまで持ち込むのには成功することが多いハリルジャパンの中で、得点を量産することが期待される。

「人間性も見たい。彼にとって本当に良い機会だと思う」と、期待感を口にするハリル監督。スコアレスドローに終わったホームのシンガポール戦を「今でも消化しきれない。今度はリベンジの機会だと思っている」と語るアウェーゲームで結果を残すことができれば、その名前は指揮官の脳裏に深く刻まれることだろう。

 荒波にもまれて進化を遂げたストライカーが、ハリルジャパンに新たな競争を巻き起こすはずだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

 

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