ハリル監督が浦和の“走るファンタジスタ”を絶賛 「運動量とゲームビジョンが素晴らしい」
レフティー特有の感性に大きな期待
「中盤に左利きの選手がいるのは面白い。それはセットプレーにも影響する。ビルドアップで、もっともっとテクニックをもたらしてほしい。特に中盤の低いところから高いところ、特にFWへつなげていってほしい。浦和ではかなり低いところにもらいに来るが、我々はそうではない。できるだけ高い位置でプレーすること、攻撃的MFやFWに近づくことを話している。彼のゲームビジョンは面白いし、相手を背負ってもワンフリックで背後にボールを送れる。そういった選手は数少ない。彼のような能力は、ほとんど見られない。ボールを受ける前に、すでにアイデアをたくさん持っている。背後、前にしっかりと連携を取れる」
ハリル監督は饒舌に柏木の長所を語った。浦和を率いるミハイロ・ペトロヴィッチ監督の戦術の中で、後方からのボールをフリックしてスピードアップすることは重要なプレーの一つとされている。昨季まで主に攻撃の最終局面に絡む狭いエリアで起用されてきたが、今季はチームでもボランチでプレー。以前より低い位置からの組み立てに関与する中で、攻撃に緩急と変化をつけられる存在として大きな役割を担う。ハリルジャパンでも舵取り役としての期待が掛かる。
柏木自身は、メンバー発表前に行われた浦和のトレーニング後に、「代表に入れるかどうかは半々だと思う。もちろん、選ばれたら頑張りたい。トレーニングで、良いイメージは残せたと思っている」と話していた。しかし、本人の手応え以上にハリル監督へのアピールには成功していたようだ。メンバー発表後、浦和の公式サイトを通じて「日本代表に選出していただき、大変光栄です。自分の全てを出して、日本の勝利に貢献できるようにがんばってきます」との意気込みを発表した。
「彼にはすごく期待している」と、ハリル監督は運動量豊富なレフティーに対して最大級の評価を語った。チームでは、“浦和の太陽”とも称されるほどの中心選手。自身の輝きによって周囲もまた輝かせるプレーで、ハリルジャパンの未来を明るく照らし出す。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images