明暗分かれる2人のレフティー 本田からポジション奪った男が絶賛される
「ミラン再生の象徴」と評価急上昇
ACミランは怒涛の3連勝で6位に浮上したが、ここ4試合でベンチスタートの日本代表FW本田圭祐の代わりに右ウイングで先発出場を果たしているFWアレッシオ・チェルチが「ミラン再生の象徴」と絶賛されている。イタリア地元紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が「ミハイロビッチのミラン、転換の秘密。チェルチと4-3-3でロッカールームは団結」と特集している。
ミランは今季序盤4-3-1-2という本田らをトップ下に起用するシステムで戦ったが、最終ラインは不安定でサポーターからブーイングを浴び続けた。だが、10月17日のトリノ戦でウインガーを重用する4-3-3システムにシフトした結果、チームの状況に変化が生まれた。
チェルチが右ウイングで躍動し、チャンスメークで貢献。本田が昨季まで定位置としてレギュラーでプレーしていた右サイドのアタッカーのポジションを奪い、躍動している。
記事では「アレッシオ・チェルチはミランの再生の象徴。ブーイングされても、シニシャは彼を信じていた」と報じている。1月にアトレチコ・マドリードから期限付き移籍で加入したチェルチは救世主と期待を集めたが、フィリッポ・インザーギ監督と起用法を巡り衝突した不満分子となった。そんなチェルチは今季開幕前に指揮官と面談し、トップ下を置くシステムだからウインガーのチェルチに先発の座はないと事前に通告されていた。それでも、改心して練習に励んだ。試合でもミランサポーターからブーイングを浴びていたが、チェルチはプレーと勝利で賞賛を引き出した。
鬼軍曹と呼ばれたミハイロビッチ監督も選手へのアプローチを変化させたという。「批判に対しては選手たちをかばって、擁護した。ロッカールームは団結している」と特集では指摘している。
本田はクラブとミハイロビッチ監督、サポーター、メディアの批判を展開した。その後に試合終盤の守備固め要員として4試合連続で顔見せ程度の出番となっている。昨季不満分子だったチェルチは改心し、チームの勝利に貢献している。ここ4試合で二人のレフティの明暗はくっきりと分かれている。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images