U-20日本代表、“結束力”が引き寄せたグループリーグ突破 逆境をはね返した若き侍たち
「間違いなく、初戦がエクアドルで良かった」 主将MF齊藤が断言する理由
U-20日本代表は現地時間29日、U-20ワールドカップ(W杯)グループリーグ第3戦イタリア戦に引き分け、1勝2分の勝ち点5でグループBの2位となり、決勝トーナメント進出を決めた。主軸を担ったMF久保建英(FC東京)やFW安部裕葵(鹿島アントラーズ)、GK大迫敬介(サンフレッチェ広島)がA代表への引き上げのために招集外となり、DF橋岡大樹(浦和レッズ)、GK谷晃生(ガンバ大阪)が怪我で欠場するなど、非常に難しい状況で迎えた今大会。そんな逆境をはね返し、決勝トーナメントの切符をつかんだチームのグループリーグを振り返って行く。
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「間違いなく、初戦がエクアドルで良かったという感じがする」
一つの目標であったグループリーグ突破を決めた際、主将を務めるMF齊藤未月(湘南ベルマーレ)はハッキリとした口調で言い切った。
大会前から齊藤は初戦の重要性を強調し、グループ最大の難敵と目された南米王者との戦いが大事になると語っていた。そこでどんな試合を披露し、どんな反応をチームが見せるのか。世界大会特有の独特な雰囲気と初戦の緊張感のなかで試合を行い、日本では得ることのできない経験を積む。それこそが次につながると考えていた。
エクアドル戦は非常に難しい試合だった。目の前の敵だけでなく、精神的な面で見えない敵とも相対していた。もし後半のPKを沈められていたら、この大会を去ることになっていたかもしれない。
ただ、ここで1点を奪い返し、最後まで戦う姿勢を見せられたことが、メキシコ戦、イタリア戦へとつながった。それ以降、失点を許さなかったこともエクアドル戦の経験が大きかったと齊藤は言う。
「みんなの頑張りがあってこそ、1失点で抑えられたところはあると思う。やっぱり初戦で1点を取られてから、1点取り返すことができたのが、その後に失点しないというのにつながっている。そこはチームとして大会に臨みながら、積み上がっているものなのかなと思います」
林 遼平
はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。