U-20W杯の日本は“大会屈指” 新時代の潮流に乗る「ボランチ&トップのフィジカル化」
田川亨介のような「大きくて速いFW」も各国がほぼ標準装備
日本では齊藤未月がこのタイプである。U-20マリ代表のモハメド・カマラは典型で、攻撃的なエンゴロ・カンテというイメージだった。相手を外して自分の前が空いた時に、グイッと持ち出してラストパスを何本も通していた。ボランチ全員がこのタイプというわけではなく、長身選手との組み合わせが多かったが、1人はいないと中盤の攻防で劣勢になりそうだった。
ハイプレスを回避するロングボールも計画的に使われていて、大きくて速いFWもだいたい各国が標準装備していた。日本の田川亨介(※負傷により31日にチームを離脱)はまさにこのタイプ。ハイプレスでの守備も重要な役割なので、ただ点を取ればいいというわけにはいかない。
ボランチとトップのフィジカル化は、今後の流れになりそうだ。
(西部謙司 / Kenji Nishibe)
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西部謙司
にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。