ハットトリック達成の背景 「枠内シュート率100%」から見えるFW武藤のさらなる覚醒

限られたチャンスを生かした前半2ゴール

 フィニッシャーとしてのさらなる覚醒なのか? マインツに所属する日本代表FW武藤嘉紀が、初のハットトリックを達成したブンデスリーガ第11節アウクスブルク戦のデータからは、渡独後の日本人ストライカーの変貌ぶりが窺えた。

 今季のブンデス序盤戦では白星が先行していたマインツだが、その後は敗戦の数が次第に増え、現時点では4勝1分6敗の12位に位置する。そんなチーム事情は、アウェーでの一戦とはいえ最下位のアウクスブルク戦でも見てとれた。

 1試合トータルのデータを見ると、ポゼッション率がアウクスブルクの64%に対してマインツは36%。以下、シュート数23対10、パス本数545対327など、あらゆるデータでマインツはホームチームに圧倒された。

 そうしたなかで武藤は、フィニッシャーとして高い決定力を示した。この試合でチーム最多4本のシュートを放ったが、すべて枠内に飛び3ゴール。劣勢を強いられたチームを救う精度の高さを示した。

 特筆すべきは、19分、30分と2ゴールを決めた時間帯だ。[DATA-1]の「15-30分」のデータが示す通り、マインツはこの時間帯、ポゼッション率73対27と相手に圧倒的なボール保持を許しており、そのなかで繰り出した素早い攻撃から武藤が2本のシュートを放ち、いずれもゴールにつなげている。

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アウクスブルク対マインツ戦の15分ごとのデータ(前半のみ)

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