U-20日本代表、W杯メキシコ戦快勝の要因とは? 生かされた初戦の経験と柔軟な対応力
メキシコ戦の試合運びに手応え 「自分たちが試合をコントロールできたから」
この経験が大きく生きたのがメキシコ戦だ。相手がシステムを変えてきたなかでも粘り強く対応。試合中の変化に対して柔軟に対応し、普段通りのプレーを見せながら自分たちの展開に持って行った。また1-0で迎えた後半、初戦のことや勝ち点3が絶対に欲しいという状況を考えれば、どのように試合を運ぶかは一つのポイントだったと言っていい。その状況下で日本はしっかりと意志統一を図り、勝つための最善の選択を取った。
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「チームとして話したのは、立ち上がりの20分というのは絶対に失点ゼロで行こうと。もちろん得点のことを考えるのもそうだけど、そこで失点してしまうと、やっぱり相手が勢いにすごく乗ってしまう。僕たちは結構立ち上がりに失点することが多い。あそこで失点せず、かつセットプレーで得点が取れたのは大きかったと思う」(齊藤)
結果的に2つのゴールを加え、守備では無失点。「どういうふうに試合を進めるかはサッカーにおいて難しい。そのなかで結果的に3-0で終われたのは、非常に自分たちが試合をコントロールできたからだと思う」とDF瀬古歩夢が胸を張ったように、巧みにゲームをコントロールして勝点3を手にした。
イタリア戦では、この2試合で得た経験をどう生かすか。“チームは生き物”とよく言うが、国際大会はよりその色合いが濃く出るもの。この2試合のように成功体験をさらに積み重ねることで個人としてもチームとしても成長し、さらに高い舞台へと挑んでいきたい。
林 遼平
はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。