U-20日本代表、W杯メキシコ戦快勝の要因とは? 生かされた初戦の経験と柔軟な対応力

U-20W杯グループステージ突破に大きく前進した日本代表【写真:Getty Images】
U-20W杯グループステージ突破に大きく前進した日本代表【写真:Getty Images】

初戦エクアドル戦で1-1ドローも第2戦メキシコ戦で3-0と快勝

 U-20日本代表は26日、U-20ワールドカップ第2戦・メキシコ戦に3-0の快勝を収め、勝ち点を4に積み上げグループステージ突破に大きく前進した。難しい試合を強いられたエクアドル戦(1-1)を経て、メキシコ戦で重要な勝利を手にした要因について探ってみたい。

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 初戦のエクアドル戦、前半はお世辞にも“良かった”と言える内容ではなかった。それは影山雅永監督も、試合後の会見で「チーム全体としてちょっとナーバスになってしまった。いつもやっていたことを放棄してしまったような前半だった」と認めている。もちろん初戦の緊張感や南米選手特有の雰囲気に普段とは違う感覚を覚えてしまうのはよくあることだが、前半に追加点を奪われていれば、後半早々のPKを決められていれば、敗戦に至っていた可能性は高い。

 ただ、このチームには、状況によって頭を切り替えることができる柔軟性が備わっていた。PKストップを経て、同点弾を奪った後のこと。1-1で試合を終えて勝ち点1を得るために守備に重きを置くのか、勝ち越し点を奪いに前へ出て行くのか。非常に悩ましい状況に立たされたなか、日本は集中した守備を見せながら積極的に前に出た。MF齊藤未月(湘南ベルマーレ)は当時のことを振り返る。

「ロスタイムに入った時は最低勝ち点1でいいと話はしたけど、チームとして攻めないのではなく攻めようと。でないとやられると。攻めないと後手を踏んでやられるから、僕たちがボールを保持していつも通りそのまま攻めようと。それで切り替えて戻って失点をゼロにしようという雰囲気があったし、声もあった。それは明確にできていたと思う」

 ラインを下げて相手に押し込まれる状況を自分たちから作り出すのではなく、しっかりと前に出ることで相手の攻撃をけん制する。短い期間で行われる国際大会で状況を考えた判断をピッチ上で実践できたという意味では、エクアドル戦は非常に有益な試合だった。

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林 遼平

はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。

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