雌伏の時を経て初のなでしこ女王へ 歓喜の瞬間を噛みしめた“緑の心臓”
マルチな才能で若いチームをけん引
疲労困憊のシーズンだったが、常に結果を残してきた。ボランチから最前線までチーム事情に合わせて起用されたが、その中で18試合のレギュラーシリーズでは得点ランキング3位タイの9ゴール。決定率も30パーセントを超えた。勝負強さを見せつけながら、若手の多いベレーザをまとめてきた。年間優勝を決めた31日のジェフ千葉レディース戦でも、試合を決めた2点目は阪口がビルドアップの起点になり攻撃を展開して生まれたものだった。
ホッと一息とも言える瞬間が訪れたが、阪口は残るタイトルである皇后杯の連覇へ強い意気込みを見せている。
「良い時ばかりではありませんでしたが、サポーターの応援は自分たちにとって大きいものでした。皇后杯でも優勝して、獲れるタイトルを獲りたいと思います」
確かな技術と安定したフィジカル、戦術眼に勝負強さと、サッカー選手に求められるものを兼ね備えているマルチプレイヤー。チームにいて、これほど頼りになる存在もなかなかいないだろう。心身ともにタイトなシーズンを走り抜いてきた緑の心臓にとって、初のリーグタイトルは大きなプレゼントになった。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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