U-20日本代表GK若原、魂のPKストップ 試合前には“A代表”大迫から檄「やるっきゃないやろ」
U-20W杯初戦でエクアドルに1-1ドロー 守護神が試合の流れを引き寄せるビッグセーブ
U-20日本代表は現地時間23日、ポーランドのブィドゴシュチュ・スタジアムでU-20エクアドル代表とU-20ワールドカップ(W杯)の初戦を戦い、1-1のドロー決着となった。0-1のビハインドで迎えた後半開始早々にPKを献上する絶体絶命のピンチを迎えたが、GK若原智哉(京都サンガF.C.)は相手のキックをストップ。チームの勝ち点1獲得に大きく貢献した守護神は、「止めたらヒーローやろなという気持ちで立っていた」と振り返りつつ、試合前には23日にA代表に初選出されたGK大迫敬介(サンフレッチェ広島)から「やるっきゃないやろ」とエールをもらっていたことを明かした。
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序盤から苦しい戦いを強いられた日本は前半45分にFKを与えると、相手キッカーのクロスボールを若原がパンチング。これが目の前にいたFW田川亨介(FC東京)の顔面に当たってゴールの中へ入ってしまい、痛恨のオウンゴールで先制点を許してしまう。立て直しを図りたい日本だったが、後半5分にはセットプレーからMF郷家友太(ヴィッセル神戸)がハンドの反則を取られてPKを献上。絶体絶命のピンチを迎えていた。
しかし、この窮地を救ったのが若原だった。「もともとPKは得意なほうで、PK戦は負けたことがないような気がする」と自信を持つ男は、心を落ち着かせてゴール前に立つと、「何かキッカーが立った時にこっちやろうなというのが分かって、自信を持って飛んだ」とGKから見て左へ横っ飛び。しっかりとシュートを弾き返してゴールを死守した。
「めっちゃ緊張していたけど、みんなが声をかけてくれて助かった。それに、止めたらヒーローやろなという気持ちで立っていた。キッカーの立ち位置的にこっち側だなというのはイメージしていて、思った通り止められて良かったです」
このセーブをきっかけに日本は勢いを取り戻すと、後半23分にMF山田康太が同点弾を奪取。グループリーグ突破へ勝ち点が欲しかった初戦で、大きな勝ち点1を獲得するに至った。
林 遼平
はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。