マンC×リバプール、史上最高の「新2強時代」へ 2人の名将に見た“強さの根源”とは?
1位と2位の両チームが年間30勝をマークしたのも史上初
今季4敗したシティは第25節から破竹の14連勝を記録して、昨季に並ぶ32勝を記録。リバプールも負けじと9連勝で30勝まで勝ち星を伸ばし、最後の最後までシティを追い詰めたが、引き分け数「7」が響いた。
ちなみに今季のシティ32勝、リバプール30勝で、2チームが同時に30勝以上を記録したシーズンは今回が初めて。しかもこれまでにプレミアで30勝以上をマークしたチームは2016-17シーズン優勝のチェルシー(30勝)、昨季優勝のシティ(32勝)だけで、今季の2チームを含めてわずか4チームしか存在していない。
またホーム&アウェー2試合の直接対決をシティが1勝1分で制しており、この結果も「1」差の優勝争いの行方に影響した。
ただし、1月3日に行われた今季2試合目の直接対決は、この時点でリバプールが勝ち点7差をつけて首位だったため、負ければ完全に自力優勝の望みが絶たれるシティのほうが開き直り、必勝態勢で試合に臨んでいた側面もあった。ホームで行われたこの天王山を2-1で制したシティが、リバプール優勝に傾いていた流れを一気に引き戻した。
このように、シーズンを通して本当に異常なほどの高みで激烈な優勝争いが展開されたが、この激しいつばぜり合いの中心にジョゼップ・グアルディオラとユルゲン・クロップの両監督がいたことは間違いない。
最終節を目前に控えた5月上旬に、この両雄を連日間近で取材することができた。
5月6日は元日本代表FW岡崎慎司の取材で、シティ対レスターを観戦。残念ながら岡崎はベンチ外で取材は空振りに終わったが、主将DFヴァンサン・コンパニの一撃でしびれるような1-0辛勝をもぎ取った直後、生身のペップを目撃することができた。
極度のストレスを強いられた試合直後の監督会見。ペップは体の震えが収まらないのか、両腕で脇腹を抱え、自分で自分を抱きしめるようにしてマイクの前に座った。
その存在感を一言で言い表せば“インテンス”となる。異常なほどの緊張感を漂わしていた。辺りを切り裂くカミソリのようなオーラ。神経が研ぎ澄まされ、それが鋭い光線のように周りに放射している。そんな存在感だった。
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森 昌利
もり・まさとし/1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。