なでしこW杯メンバー23人、期待される新旧融合のサイクルと本大会へ修正すべき課題

ここ最近レギュラーに定着してきたMF杉田妃和【写真:Getty Images】
ここ最近レギュラーに定着してきたMF杉田妃和【写真:Getty Images】

「若い選手たちはU-17、U-20で世界一になったということで、全然物怖じしていない」

 前回のカナダ大会は、優勝したアメリカに次ぐ高齢チーム(平均27.6歳)だった。その印象もあってか、今回のチームはその「若さ」がたびたび話題に挙がる。育成年代の指揮官も務めた高倉監督だが、強引に世代交代に踏み切ったわけではない。若手のポテンシャルを理解しつつも、機が熟するまで主力に抜擢することはなかった。

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 U-17女子ワールドカップで優勝&MVPに輝いたMF杉田妃和(INAC神戸レオネッサ)にしてもレギュラーに定着してきたのは、ここ最近のことだ。最初は「年代別のカテゴリー別では勝てても、トップレベルになるとなかなか勝てない」という事実を痛感。その中で「自分が試合に出たら、相手を見て、早い時間帯で自分がどう出ればいいのかと考えるようにした」という。

「これまで呼んだ若手が、私が思っていた以上に『世界でもやれるんじゃないか』というところを見せてくれましたので、その力に期待する部分もあります」
「今の若い選手たちはU-17、U-20で世界一になったということで、全然物怖じしていません。もちろん、本人に話を聞くと少しは緊張したと言いますけれども、堂々とやれています」

 今春の欧州遠征に前後して高倉監督の口から発せられたコメントからも、恐れ知らずの若武者たちが、A代表の壁を乗り越え、ベテランと伍して戦う情景が浮かぶだろう。

「そのままのペースで彼女たちは行ってもらえればいい。私たちは昔から恐怖心を持っているので、『こうやられるかも……』と常に考えながら、リスク管理や対策をとっていければいい」とは、今回で世界大会3度目の出場となる鮫島彩(INAC)。若手の恐れ知らずのパワーと逆にワンプレーの怖さを知っているベテランが噛み合うことで、良いサイクルを作り出してくれそうだ。

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