長谷部誠の「頭脳」とフランクフルト監督の「戦略」 EL4強チェルシー撃破へ抱く希望
ヒュッター監督「2戦目に希望を残せたと思う」
上手くはまればいける。そして上手くはめ込むために策を練り、全力で戦い抜く。気負う必要も、臆病になる必要もない。ヒュッター監督の思いも一緒だ。はっきりとしたトーンが、記者会見場に響いていた。
「自分たちの良さを示すことができたと思う。今日のパフォーマンスを誇りに思うよ。勇敢に、積極的なプレーを見せてくれた。素晴らしいファンの声援、壮大なコレオも助けになった チェルシーのようなトップチーム相手に先制点を挙げた。2戦目では、レビッチも復帰するし希望を残せたと思う。あらゆることが可能だ」
確かに直後に行われた5日のブンデスリーガ第32節レバークーゼン戦は、1-6で完敗。だが、それに引きずられるつもりはない。自分たちの負けを認めながら、代表取締役のフレディ・ボビッチ氏は言いきってみせた。
「我々はフランクフルトだ。地に倒れこんでしまったなら、そこからまた立ち上がり、そして戦うのが我々だ!」
不屈の精神と不退転の決意でここまで走り続けてきた。EL決勝の舞台へ向けて、最後の力を振り絞り、最大限のパフォーマンスを引き出してみせる。
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(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)
中野吉之伴
なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。