エジルの結婚式“日程”で人種差別問題が再燃? 独紙の報道をトルコメディアが批判

MFエジルは、昨年のロシアW杯終了後にドイツ代表からの引退を表明している【写真:Getty Images】
MFエジルは、昨年のロシアW杯終了後にドイツ代表からの引退を表明している【写真:Getty Images】

人種差別問題が発端で代表引退のエジル 結婚式は代表関係者が出席できない日程に

 アーセナルの元ドイツ代表MFメスト・エジルは、今季終了後のオフシーズンに結婚式を挙げる予定になっている。しかし、そのことで代表引退の発端となった人種差別問題が、メディアに再び取り上げられることになった。独紙「ハンブルガー・モルゲンポスト」が報じている。

 エジルは昨年のロシア・ワールドカップ終了後の7月に、ドイツ代表からの引退を表明した。チームは史上初のグループリーグ敗退に終わり、ファンの憤りはエジルに向けられることになったが、その一因となったのが大会前に同じトルコ系のMFイルカイ・ギュンドアン(マンチェスター・シティ)とともに、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と面会し、エルドアン陣営がその写真を発表したことだ。ドイツでは同大統領が国内で行った政治的弾圧が大きく非難されており、面会した二人には批判が集中。これが発端となり、エジルは代表引退を決意しており、声明では「自分やチームのパフォーマンスではなく、自分のトルコ系のルーツを批判している」と、メディアの報道に対する怒りを露わにしていた。

 それから1年近くが経過し、エジルが以前より交際してきたアミネ・ギュルシェさんと6月7日に結婚式を挙げると、ドイツ紙「ビルト」が報じた。それは単純な挙式日時の報道ではなく、「ドイツ代表メンバーは結婚式には行けない」と見出しに取って、エジルとドイツサッカー連盟の確執を伝えたものだった。

「ハンブルガー・モルゲンポスト」紙によれば、ドイツ代表は6月8日にベラルーシとアウェーで欧州選手権(EURO)予選を戦うことになっていて、エジルの結婚式がある7日にはすでに現地入りしていることになる。そのため招集されたメンバーはおろか、監督やスタッフ、関係者も必然的に出席できないことを指摘している。

 こうした報道に対して、トルコメディアが反応。トルコ紙「Takvim」は、「『ドイツ代表メンバーは結婚式には行けない』と報じたビルト紙は、再び人種差別的な考え方を示している」と報じて、ドイツメディアへの批判を展開している。

 時を経て鎮火したと思われたエジルへの人種差別問題が、結婚式をきっかけに再燃することになったようだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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