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好きこそモノの上手なれ めぐが巡るスペイン育成ダイアリー Vol.3 「大一番で噴出した課題」
バルサの強さ
エスパニョールのフベニールBは、リーガ・ナショナル第2節でバルセロナ・フベニールBとのダービーマッチに臨んだ。だが、試合は1-4で大敗を喫した。大一番で待っていたのは、次への課題だった。
会場はバルサのトップチームが練習をしたり、育成年代の試合も行われるシウダ・デポルティーバ。全部で9面あるピッチの内、この日の試合は、育成年代では珍しい天然芝のグラウンドで行われた。この一戦の注目度は高く、多くの観客が足を運んでいた。
両チームがアップを終えた後、ピッチには水がまかれる。この時、スペインではよくある風景なのだが、ホームチームのピッチサイドをよく滑るように特にゴール前に水を多くまく。それも、この国では戦略の1つなのだ。
エスパニョールのキックオフで始まったこの試合。4-3-3のバルサに対してエスパニョールは4-4-2、守備では2トップの一人が1人引いて4-2-3-1へと移行するフォーメーションへと変わる。
エスパニョールは、キャプテンのジャウマを中心に守るものの、前半10分にはセンターバックのコントロールミスによってボールを奪われ、あわや失点というシーンを招いた。この場面ではシュートは枠外へ飛び、難を逃れた。
この日の試合のキーファクターとなったのは、左サイドだった。サイドバックのポールは、小さい体で賢く守り、インターセプトからの攻め上がりなどを見せていた。だが、同サイドでマッチアップするのは、バルサのキーマンであるムボウラ。スピードとテクニックに翻弄(ほんろう)され、エスパニョールは3人抜きや、裏を突かれるシーンが目立った。前半30分にはオフサイドになったもののゴールネットを揺らされ、間一髪の場面もつくられてしまう。
そして同35分にはついにゴールを許す。くしくも、ネットを揺らしたのは、エスパニョールの防波堤となっていたジャウマだった。ゴール中央の混戦からヘディングでキーパーに戻したが、これがオウンゴールとなってしまった。
エスパニョールも左サイドのポールを起点に反撃を試みたが、0-1で前半を折り返した。