「僕が負けているというのは全くない」 南野拓実、“絶対王者”ザルツブルクで高まる自負心

“経験”が何かは「まだ自分には分からないですけど…」

 試合が終了して優勝が決まった瞬間、大喜びできなかったことも彼の本心だろう。でもその後、すぐに仲間と一緒にファンの元に駆け出し一緒に喜び合ったのも本心なのだ。

「(経験が何かは)まだ自分には分からないですけど、まだまだ若いですし。まだまだいろんな経験をしていかないといけないんで。今のところはそんな感じです」

 そう話しながら、南野は優しく笑った。次の試合はすぐにやって来る。日曜日のリーグ戦(5日のオーストリア・ウィーン戦)で勝利すれば、優勝を決められるチャンスがある。熱望している来季UEFAチャンピオンズリーグのグループステージ出場へ、その扉を自らの手で開けるために南野は前を向いて進んでいく。

(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)



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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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