なでしこ女王ベレーザの“新ヒロイン候補” 19歳で覚悟した「引退」と絶望からの復活劇

今季はここまでリーグ戦4試合に出場して4得点を挙げている【写真提供:TOKYO VERDY】
今季はここまでリーグ戦4試合に出場して4得点を挙げている【写真提供:TOKYO VERDY】

「ベレーザには2年間迷惑をかけてきたので結果で返す。目標は1試合1点を必ず取ること」

 今季はここまでリーグ戦4試合に出場して4得点。途中出場がメインながら、開幕戦の千葉L戦(3-1)では決勝弾、第3節・浦和レッズレディース戦(3-1)では同点弾と勝負どころで決めている。小林は大怪我を乗り越えた自身の変化をこのように説明する。

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「リハビリでメンタルは相当鍛えられました。怪我をしていなかったら、こんなにやらなかっただろうなと思うくらい筋トレもしっかり重ねてきたので、体も大きくなったかなと思います(笑)。ベレーザでは、高校時代に比べてサッカーを考えながらできているかなと」

 怪我の2年半は長かったか、それとも短かったか――。その問いに、小林は間髪入れずに「めちゃくちゃ長かったです」と答え、言葉を続ける。

「もう二度と怪我をしたくないです。怪我をして良かったとよく聞きますが、私はもう絶対経験したくない」

 笑顔で口にした言葉は、小林の偽らざる本音だろう。

 怪我の時期にどん底を味わったキャリアは今、大きな成長曲線を描こうとしている。小林も“ノンストップ”で駆け上がりたいと決意を語る。

「復帰した2018年はいっぱいいっぱいのところがあって、なかなか自分のコンディションとプレー感覚を取り戻せませんでした。でも、今年は徐々に良くなってきている感触があるし、代表もあるのでもっと上げていかないといけない。時にはペースを落とすのも大事かもしれないけど、このまま止まらずに駆け上がっていきたいと思います。

 一番はスタートで出ることですけど、どんな状況で試合に出てもゴールという形にはこだわりたい。ベレーザには2年間迷惑をかけてきたので、結果で返します。目標は1試合1点を必ず取ることです」

 遅れてきたヒロインが今、覚醒の時を迎えようとしている。

(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)



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