ミラン4戦ぶり勝利も本田は見せ場なし サッスオーロ戦終了間際に途中出場
バッカ、アドリアーノがそろい踏み
後半、ミランは10人のサッスオーロに対して主導権を握ることができない。そんな中で後半8分、ゴールから約25メートル、やや右サイドの位置で不用意にFKを与えると、サッスオーロのMFドメニコ・ベラルディがキッカーの位置に立つ。ニアサイド寄りに壁を作ったドンナルンマは壁の上を超えてくるシュートを予測してステップを踏むが、ベラルディは駆け引きで勝った。ファーサイドへ向けて鮮やかな曲線を描いたボールが、逆を突かれたドンナルンマをあざ笑うかのようにサイドネットに決まった。これでミランはリーグ開幕から9試合連続失点になった。2014年1月13日の対戦で、1試合4得点を記録したミランキラーのベラルディは、この日もかつての名門を苦境に陥れた。
ミハイロビッチ監督は同15分にFWアドリアーノを入れ、4-4-2システムに変更した。それでも数的優位を感じさせるようなビルドアップはできず、一進一退のゲームが続いていく。
両軍のベンチワークが勝敗を分けた。ミランが後半26分にイタリア代表MFアンドレア・ベルトラッチを投入すると、攻撃が一気に活性化した。ペナルティーエリアに侵入する回数が増え始めると、サッスオーロのエウゼビオ・ディ・フランチェスコ監督は4-4-1で守っていたところを5-3-1に変更。カウンターの脅威を与えられなくなったことで、ミランの攻撃がさらに厚みを増し、何度となくゴール前のシーンが繰り返されるようになった。
そして迎えた同41分、ボナベントゥーラの右CKがニアサイドで相手DFに当たってコースが変わると、ボールはフリーになったアドリアーノの頭へ。ゴール左に決めたアドリアーノの7試合ぶりのゴールで、ミランが待望の勝ち越しゴールを挙げた。
その後、ミハイロビッチ監督は同44分に本田をチェルチに代えて投入。数回ボールに絡む機会はあったが、大きな見せ場はなかった。試合はこのまま2-1でミランが勝利。60分間を10人で戦った相手に流れの中ではゴールを奪うことができなかったが、結果的には今季の新戦力であるバッカとアドリアーノの2トップによるゴールでサッスオーロを下し、待望の白星を手にした。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images