浦和、「平均得点・失点0点台」のロースコアが示すチームの機能性と本領発揮への課題

神戸戦の光明は山中のピンポイントクロスが味方に合いそうだった場面か

 決勝ゴールの興梠は、試合後に第一声で「今日、ウチはホームでした? アウェーだったんじゃないですか」と、苦笑いしながら話した。そして「高い位置でボールを取れるといいけど、奪うところが低いと下がってしまって前に出ていけない」と、現状について話している。

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 その中で光明と言えたのは、MF山中亮輔からのクロスがピンポイントで合いそうな場面が何度か見られたことだろう。前半4分にはニアの興梠に合わせてシュートにつなげ、後半15分には走り込む興梠と相手GKキム・スンギュの飛び出す中間地点に鋭い軌道で飛んだ。両者がほぼ同時にボールに到達したことでこぼれ球になりゴールとはならなかったが、シュート数に反映されないチャンスという点では可能性を感じさせるものにはなった。

 山中もまた「システム上、少しターゲットが少ないのは仕方ないし、僕は点で合わせるタイプなので、少なくても合わせるのが特徴。あと数センチというところだったし、武藤くんも慎三くんも良い動きで飛び込んでくれる。もう少し時間があれば合ってくるし、その心配はしていない」と手応えを口にした。

 現状、浦和は8試合を終えて6得点7失点と、得点も失点も試合数より少ない。平均すれば0点台ということになり、対戦相手を考慮しなければ浦和のゲームでは両チーム合計で2点入らないという計算になる。実際にリーグ4勝のうち3勝が1-0であり、残り1勝も2-1だった。北海道コンサドーレ札幌戦で2失点、横浜F・マリノス戦で3失点しているが、逆に言えば残りの6試合での合計はわずか2失点でもある。

 鹿島アントラーズ時代にもオリヴェイラ監督のチームで戦っている興梠は、「内容が悪くて勝つチームは強いので、内容を良くしていけば」と話したものの、表情はどうしても曇りがちだった。こうしたロースコアの接戦をものにして勝ち点を挙げている間に、チームとしての機能性を高めていけるのか。それが今季の最終的な成績に大きく影響していきそうだ。

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(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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