リオ五輪への“最終兵器” 空気を読まない浦和の突貫ドリブラーがサバイバルに参戦
浦和の指揮官が発した怒声
関根には、一つの確信めいた思いがある。それは、自分が良いときにどんなプレーをしていたかだ。
「ある意味、自分は試合の流れを読まずに仕掛けるところが良かった。悪い状況でも、自分のところから仕掛けることでリズムや試合の流れを変えられていた。ある意味、空気を読まないプレーが自分には一番あっている。そこで消極的になっても、自分らしさは出ないですから。割り切って、自分がどうやってチームの役に立てるかを考えたら、そこでポイントになっていきたい」
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、選手たちに視野を広く持ち、パスという選択肢を最後まで残すことを求めてきた。その指揮官が、関根を抜てきした直後のトレーニング中、「セキネ!」と怒声を発したことがあった。それは、サイドで前を向いた1対1の状況で仕掛けずにパスを出した時だった。パスとコンビネーションを武器とするサッカーを構築するペトロビッチ監督にとっても、その存在は特別なものだ。今、関根はそれをハッキリと思い出し、代表チームへ向かおうとしている。
U-22代表には、関根にとって頼れる先輩もいる。浦和から岡山に期限付き移籍中のMF矢島慎也は、浦和ジュニアユース、ユースで2歳年上の先輩。特に、矢島がユースの3年時には、1年生の関根は前線で息の合ったコンビネーションを見せていた。昨季も、トレーニングの前後で矢島と話している場面が何度もあった。
「(矢島と)連絡も取っているし、この前も会いましたね。『まだ選ばれないの?』って言われましたけど(笑)。今回、選ばれて一緒にやれる。中学、高校と一緒にやっていたから楽しみですね」
24日には、FC東京戦が控える。ファーストステージの対戦では4-1と快勝した相手だが、「ファーストステージとは違うゲームになる。相手のやり方は分からないし、簡単にはいかない。相手ではなく、自分たちがやるべきことをやる。積み重ねてきたものを出したい」と意気込む。その後のU-22日本代表合宿についても「まずはFC東京戦に集中します」と語った。