別次元の決勝トーナメント2日目。オランダとメキシコ、真逆のスタイルを貫く強豪が激突

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 2日目も非常に興味深い試合が続く。日本時間6月30日午前1時にキックオフする、グループA・2位メキシコとグループB・1位オランダの一戦である。今大会で旋風を巻き起こしている2チームのサッカースタイルは真逆だ。

 メキシコは3-1-4-2の布陣で、いわゆるポゼッションサッカーを展開。この大会ではポゼッションを指向するスペイン、イタリア、日本などが軒並み不調で、ポゼッションが時代遅れの戦術のような批評も目にするが、メキシコサッカーは絶好調と言っていいだろう。

 両ウイングバックが高い位置を取り、センターバックもドリブルで持ち上がって前線へグラウンダーの縦パスを当てる。その縦パスがスイッチとなり、中盤やウイングバックが連動し、ショートパスをつないで相手ゴール前に侵入していく。

 ボールを奪われれば、素早く切り替えて奪い返し、連続して攻め続ける。もし、前線のプレスを突破されても、アンカーに入ったプレーヤーが抜群の予測と運動量でカバーし、マイボールにしていく。常に主導権を握る魅力的なサッカーである。

 一方のオランダは、5-2-1-2の布陣だ。3人のセンターバックに両ウイングバックを合わせた5人で最終ラインを形成し、ピッチの横幅を埋める。中盤ではボランチ2人の運動量と球際の強さで、相手の攻撃をつぶす。ただ、単純な守備的サッカーとはかなり違う。

 守備がベースにあるが、最終ラインの位置は高く、引いて守るわけではない。前線のロビン・ファンペルシーとアリエン・ロッベンの「個の力
が非常に高いため、カウンターアタックの成功率が高く、見ている者に「守備的」という印象を与えないアグレッシブなサッカーだ。

 もともと「ポゼッションサッカー
とは、ヨハン・クライフ率いるオランダが元祖だったはずだが、スペインを粉砕したことで「アンチポゼッションサッカー」の急先鋒のような立ち位置になった。ポゼッションを諦めたオランダと、ポゼッションを追求し続けるメキシコ。「ブラジル大会以降」のサッカートレンドを占う意味でも、ワクワクするカードだ。

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