なでしこ永里、海外挑戦を続ける意義と揺るがぬ流儀 「意識している」男子選手とは?

ポツダムで4年間を過ごし、2009-10シーズンには日本女子史上初のCL優勝という偉業を成し遂げた【写真:Getty Images】
ポツダムで4年間を過ごし、2009-10シーズンには日本女子史上初のCL優勝という偉業を成し遂げた【写真:Getty Images】

「日本人=私」 英語で受け答えをする理由は「国を代表しているという気持ちがある」

 海外の不慣れな環境に身を置けば、少なからずストレスを抱えるものだが、永里は決してそれを感じさせない。現地への適応と、個性を出すバランスが取れているからだと自己分析する。

「海外で成功するためには、まずは『郷に入っては郷に従え』。日本で言う協調性ではなくて、自分の個性・特性を表現しながら周りに合わせることができないと正直厳しいです。ボールを使ったピッチ内でのコミュニケーションが一番重要。そこでいかに調和・融合しながら自分の個性を出せるか。もちろん日々の生活も含めてサッカーで、現地の生活自体にアジャストできなければ良いパフォーマンスも出せません。そうたどっていくと、やはり適応力に行き着くと思います」

 永里はアメリカに渡った2017年から英語の勉強をスタート。オーストラリアのシーズン終盤は英語でインタビューの受け答えをし、その模様はWリーグ公式ツイッターでも公開されて話題を呼んだ。たとえ「完璧でなくても」、英語で挑戦するのには永里なりのポリシーがある。

「国を代表しているという気持ちがあります。その地では『日本人=私』。だから、恥ずかしい受け答えはしたくないし、日本人はこんなに英語を話せないんだとは思われたくない。完璧でなくても、発音が悪くても、海外の人は馬鹿にして笑ったりはしません。『伝える、表現する』姿勢に対してリスペクトがあるので。英語を話せるだけで、認めてくれる人も多い。日本人の方々が私を見て、何かを感じてくれたらいいなと。海外の良いところをもっと日本に発信していきたいし、日本の良いところを国外の人々にも伝えていきたいですね」

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