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【W杯詳細分析・ブラジル-チリ】日本戦よりも明らかに激しかった南米同士の一戦 PK決着の激闘がエキサイティングでスピーディーだった理由
「哲学」を語らない、「スタイル」だけの議論は意味をなさない
「南米選手権」も「欧州選手権」も共に国の威信をかけた戦いの場だ。戦いに勝つために自国の戦力、自国の正義に関する考え方や戦い方のフィロソフィー(哲学)については語られることは多い。その哲学に沿った戦い方をするためにスタイルが出来上がる。そのスタイルは哲学さえしっかり持っていれば変えることは何ら問題ない。
「美しく勝つ」哲学を実践するためにサイド攻撃というスタイルで戦うことがあるかもしれない。パスをつなぎ倒すスタイルで戦うこともあるかもしれない。しかし効率性を重んじ前への速さを取り入れた攻撃を多用しても何らおかしくない。なぜなら目的は「勝つ」ことだからだ。哲学を語らないスタイルだけの議論は意味をなさない。
日本代表の今回の敗戦を受けて「ポゼッションサッカー」の継続、「カウンターサッカー」への転換、「攻撃的サッカー」、「守備的サッカー」……などが語られ始めている。
大事なことを忘れている気がしてならない。それは「スタイル」以前に明確な日本サッカーの「哲学」を打ち出すことだ。それが「世界」で通用するサッカー、即ちこの日行われた試合で言えばブラジル代表にも、チリ代表にも、コロンビア代表にも、そしてウルグアイ代表にも勝つための最初の作業のように感じる。
内田篤人選手がコロンビアとの試合の敗戦後にワールドカップの大会について尋ねられた時のインタビューが印象的だった。サッカーはどこでも同じ大きさのピッチの上で1つのボールで2つのゴールで行われるという面でいつもやっているサッカーと何も特別なことはないという趣旨の発言だったと思う。そうした何ら変わらない環境の中で様々なことが起こりうるサッカーという競技において、選手それぞれがそれぞれの場面で最適な判断を下し、プレーを実践し、勝利に結びつける方法を模索し続けることの重要さを教えてもらった決勝トーナメント第1戦だった。
analyzed by ZONE World Cup Analyzing Team
データ提供元:opta
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
※ワールドカップ期間中、記事内で扱うシーンの一部はFIFAワールドカップ公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』のマルチアングル動画、選手毎のスタッツデータで確認できます。
詳しくは、「LEGENDS STADIUM 2014 – FIFAワールドカップ公式動画」まで