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【W杯詳細分析・ブラジル-チリ】日本戦よりも明らかに激しかった南米同士の一戦 PK決着の激闘がエキサイティングでスピーディーだった理由
フィフティ・フィフティの攻防は日本戦の2倍近く
一方それぞれ30%弱を占めるゴール前の攻防をイラストで見てみよう。
左がブラジルの雨あられのような25本のクロスと23本のシュートで、右がクロスを多用しないチリのゴール前のプレーだ。
ここに至る経緯として当然正確なパス回しで崩すトライはしているが、パスの成功率70%台の意味は前方へのチャレンジの数を示す。当然相手も簡単には前には入れさせない。そうした攻防の結果、多くDuelsが発生する。この試合のDuelsは186回だった。
ちなみに日本の3試合はコートジボワール戦99回、ギリシャ戦101回、コロンビア戦103回とDuelsというプレー自体が大幅に少ないことが分かる。ボールを失わないこと、長い時間ボールを保持することで守備の時間を減らす戦術を取るため、必然的にチャレンジの数は減る。本来チャレンジなくして攻撃的サッカーは成り立たないがデータ的にチャレンジの少ないサッカーとなってしまっていた。
一方、この日の「南米選手権」ではお互い南米のチームが組織だった守備が成熟し、ゴール前でしっかり組まれたブロックを簡単に崩せないことを理解し合っている。従ってその守備組織が出来上がる前に攻め込む攻撃、仮に出来上がってしまった時には無理にパスで崩すのではなく、意図的にルーズなボールを放り込んでDuelsの状況を作り上げることも行っていた。セカンドボール発生の数とそこでの激しい奪い合いがこの日の試合を演出した。
冒頭で述べた激しくエキサイティングでスピーディーなサッカーがどのようなプレーで構成されていた結果かを理解して頂けたかと思う。