レバンドフスキとロイス、“独2強エース”の明暗 「5-0」の大差が生んだ風格と失望
“まだ優勝は信じている?”の問いに…「もちろん、勝ち点差は1だけだ」
「2失点するまでどのくらいかかった? 18分? それだと、もちろん難しい。でも自分たちのせいだ。明らかに全く別のプレーをしなければならなかった。(セットプレーでは)アグレッシブに対応しないと。ただ立っているんじゃなくて、相手をマークして、体をねじ込んで。監督はいつもそのことを言っているけど、自分たちがもっと対応できるようにならないと」
大事な試合で、自分たちのベストパフォーマンスを出すことができなかった。だがリーグはまだ終わっていないし、諦めるつもりもない。そして最後にされた質問――。
「今日のパフォーマンスでは優勝できないと話していたが、まだ優勝は信じている?」
ロイスはじっと相手の目を見て、力強く語った。
「もちろんだよ。まだ勝ち点差は1だけだ」
バイエルンとドルトムント、レバンドフスキとロイス――。両雄の戦いは、まだ終わっていない。
中野吉之伴
なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。