英FWスターリング、サッカー界の人種差別問題に言及 「黒人であることを誇りに思う」
EURO予選モンテネグロ戦で人種差別的チャントを浴び、耳を塞ぐジェスチャーをして話題に
3月25日に行われた欧州選手権(EURO)2020予選の敵地モンテネグロ戦(5-1)では、人種差別的なチャントを聞かされたイングランド代表FWラヒーム・スターリングが、耳を塞ぐジェスチャーをして話題となったが、その本人がサッカー界における人種差別問題について言及。自身が黒人であることを誇りに思うと話すとともに、ほかのサッカー選手にもっとこの問題に声を上げるよう呼びかけている。英衛星放送「スカイ・スポーツ」が報じた。
サッカーの世界では、残念ながら人種差別問題が横行している。先日、「スカイ・スポーツ」が行った調査によれば、英国(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド)に住むサッカーファンの86%が、人種差別行為を目撃しているとの事実が明らかになった。
スターリングは、自分が人種差別反対運動の代表的な存在になろうと思ったことは一度もなかったと話したが、サッカー選手には差別問題について、はっきりと声を上げる責任があるとの見解を示している。
「自分が“違い”を作ろうとしたり、今作り出しているとは思わない。これは自分の経験したこと、またはその問題から顔を背けてきた人々について声を上げると言うことだ。僕は、何かが間違えていると感じた時に、それについて意見を述べたいと思うし、人々に自分の視点から物事を見てほしいと思う人間だ。それが前進する最善の方法だと思う。もっと多くの選手が声を上げてくれたら、きっともっと良くなる」
自身が黒人であることについては、「子供の頃からいつも母は僕に、素晴らしい黒人の子供だと言っていた。自分が黒人でいることを分かっているし、それでハッピー。誇りに思っている。自分の肌の色に自信を持っているけど、同時に差別は間違っているとも思う。受け入れられる人もいるし、そうでない人もいる。母は常に本当の自分を愛しなさいと言っていたよ」と述べた。
また、自身の育ったロンドンで差別にあったことがないかを聞かれると、「ロンドンではまったくなかった。リバプールでがほとんどだよ。人種差別にあったのも、リバプールが初めて」と告白。「ロンドンでは毎日、かなり多種多様なコミュニティーに囲まれている。だから、リバプールのアカデミーや、ここ最近のプロになってからのほうが、たまにそのようなことにあうよ」と自身の体験を語り、サッカー界からの人種差別行為の根絶を訴えた。