フランス戦完敗に現地記者も辛辣評価 なでしこジャパンの「変化」と「課題」とは?
なでしこジャパンでバレ記者の印象に残った熊谷 「しっかり対応できていた」
バレ記者は、日本はフランスのスピードにまったくついていけていなかったと分析する。
「ディアニやルソメールが真ん中から突破してきても、最後の砦であるはずの熊谷が止めに入るまで誰もリアクションしないシーンが何度もあったし、ディフェンスは完全にフランスのスピードに対抗できていなかった。サイドのスピーディーなビルドアップにもついていけていなかった。それほどフランス側のスピードが凄かったというのもあるけどね。
フランスはミスを連発して負けたドイツ戦(0-1)の反省から、この試合で正確さにはことさら意識を持っていたから、フランス側はいつも以上にプレー精度も高かった。日本はもっとダイレクトなパスをつないで組み立てるつもりだったのだろうけど、ボールキープも難しかったし、デュエルにも勝てなかった」
そのなかで、日本で一番印象に残った選手として、バレ記者はリヨンでレギュラーの座を確立している熊谷の名前を挙げた。
「やはりしっかり対応できていたのは熊谷。それからゴールを決めた小林(里歌子/日テレ・ベレーザ)と、サイドの中島(依美/INAC神戸レオネッサ)も印象に残ったね」
2大会連続でW杯決勝に進出しているこれまでのなでしこジャパンと、高倉ジャパンの違いについてもバレ記者は見解を述べている。
「これまでの日本の試合をすべて見ているわけではないけれど、例えば2011年のW杯では、日本は対戦相手に応じて、相手ごとにどう挑むかという自分たちのストラクチャー、骨組みをしっかり用意して臨んでいる印象があった。今日の試合(フランス戦)では、それが感じられなかった。そのあたりが世代交代と関係があるのかは分からないけれど、W杯までにその部分は必要になってくるだろう。でもきっと彼女たち自身、それほど悲観していないんじゃないかな? この試合の結果を課題に、本大会までに立て直す自信を持っていると思う。昨年のU-20W杯も、日本チームの規律のあるプレーはものすごく印象的だったから、その最大の武器を大いに発揮してほしいと願うよ」