フランス戦完敗に現地記者も辛辣評価 なでしこジャパンの「変化」と「課題」とは?
想像以上の一方的な展開に現地記者も衝撃 「今日の日本のプレーは少し驚きだった」
高倉麻子監督率いるなでしこジャパン(日本女子代表)は、今年6月に行われる女子ワールドカップ(W杯)の開催国フランスと敵地で対戦し、1-3で完敗を喫した。
FIFAランキング4位のフランスは本大会での「自国優勝」に期待が集まるなか、試合会場には多くの現地記者が取材に訪れていた。その中の1人、フランス女子サッカーを牽引するリヨンの地元紙「ル・プログレ」のグザビエ・ブリュイル記者は試合前、「日本が2011年の王者であり、前回大会でも決勝に進出したことは誰もが知っている。決して侮れない相手だが、2015年からここまでの間、特に欧州では2017年のEURO(欧州選手権)で優勝したオランダが力をつけるなど勢力図が変わり、日本はどちらかというと伏兵、ダークホースと見られている」と、FIFAランキング7位の日本の印象を話していた。
女子W杯開催国ということもあり、フランスでは女子サッカー専門サイトが増えているが、「foot d’elles」のギヨーム・バレ記者は、「対戦する機会がない分、日本を“未知の存在”として警戒している選手は少なくない」と指摘。「熊谷(紗希/リヨン)のように個人的に知られた選手はいても、実際に日本のようなチームとの対戦に慣れている選手はいない。フランス代表は、自分たちを試す良い機会だという構えで日本戦に臨むつもりだ」と話していた。
日本は立ち上がりからフランスの激しいプレッシャーの前に思うようにポゼッションできず、相手のパワーとスピードに圧倒されてしまう。前半3分、サイドからゴール前にクロスを上げられると、主将DF熊谷の上からフランスFWヴァレリー・ゴヴァンにヘディングシュートを叩き込まれて被弾。その後、一度は同点に追いついたが、前半33分にMFウジェニー・ルソメールに勝ち越し点を許すと、後半37分にもこぼれ球をMFカディディアトゥー・ディアニに押し込まれ、1-3で敗れて力の差を見せつけられた。試合後に、改めてバレ記者に感想を尋ねると、「今日の日本のプレーは少し驚きだった」と率直な意見が返ってきた。
「今の日本代表が、2011年や2015年と同じではないことはもちろん予測していたけれど、正直、もっとやるだろう、と思っていた。序盤は高い位置にラインを上げていたけれど、徐々に押し込まれると、後半戦は完全に受け手に回っていて、時には『もうダメだ』という気持ちになってしまっているように見えたこともあった。どんな時でも最後までかじりつく印象が日本にはあったから、意外だった」