FIFA汚職事件の背景とは? 日韓W杯関係者が明かす巨大組織の実態

自浄作用が期待できないのは明白

――一説には、FIFAの内部留保は15億ドル(約1800億円)あると言われています。

「ひと言で言えば、金が余っている。小さな町工場が一つの大発明で急成長し、上場するとなったら、それなりの制度改革と人材の入れ替えが不可欠です。

 ところがFIFAの場合、世間が抱いている『一流の組織』というイメージとは程遠い、寄り合いのままでここまできてしまった。しかも、汚職問題がこれだけ取り沙汰されるなか行われた会長選で、98年から会長職にある人物が信任され、無邪気に『GO! FIFA! GO!』と演説できちゃうわけですから……。自浄作用が期待できないことは、明白ですよね」

◇広瀬一郎(ひろせ・いちろう)

1955年9月16日、静岡県生まれ。東京大学卒業後、80年に電通に入社。94年に日韓ワールドカップ招致委員会事務局へ出向、99年にJリーグ経営諮問委員会の委員に就任するなど、スポーツ分野で幅広く活躍。2004年にスポーツ総合研究所を設立し、所長に就任。江戸川大学(~08年)、多摩大学(~13年)で教授を務める。その他、各大学で講師を務め、各地で多くの公演を行う。

【了】

佐口賢作●文 text by Kensaku Saguchi

ゲッティイメージズ●写真 photo by Gettyimages

 

 

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