女子W杯開催国フランスの“なでしこJ評” 「3-1」のスコア以上に苦戦した攻防とは?

フランス女子代表のMFルソメール【写真:小川由紀子】
フランス女子代表のMFルソメール【写真:小川由紀子】

リヨンで熊谷と同僚のルソメールは証言「私たちは実際、相当走らされました(苦笑)」

 ディアクル監督は、入念な日本対策の結果、試合に際して通常よりラインを高く保ち、中央寄りにしっかりとしたブロックを作る、という作戦を取った。

「この戦略は、特にディフェンス面で成功したと思います。日本はロングボールのプレーももちろんありますが、ショートパスのゲームを瞬発的に繰り出してくるので、中央のブロックでは常に集中を切らさないようにしていました。試合中、10~15分ほど、ポジショニングが乱れ、選手間のスペースが開き、日本に攻撃を許してディフェンス面で翻弄される時間帯がありました。

 攻撃面でも、序盤15分くらいは最終ラインからの攻め上がりにやや手こずりましたが、時間とともに対応していけました。とにかくアグレッシブにボールを奪いに行くことを徹底したので、かなりボール奪取ができたと思いますし、そこからの攻撃展開に持ち込めたと思います。今日の試合で悔やまれる点があるとすれば、より多くのゴールを決められなかったことですね」(ディラクル監督)

 では、実際にプレーしたフランスの選手たちはどのように感じたのか。1-1で迎えた前半33分、フランスの2点目を挙げたMFウジェニー・ルソメールは、リヨンでなでしこジャパンの主将を務めるDF熊谷紗希と一緒にプレーしている。彼女は、スコア上は一方的に見える試合も、実際は手を焼く部分があったと明かす。

「日本は決して守備的に来ることはない。攻撃的に向かってくるので、オープンゲームになるという予想はついていました。外から見たら分かりにくいかもしれませんが、日本は相当こちらを走らせにくるので、私たちは実際、相当走らされました(苦笑)。それにチームプレーの完成度が高い。あの体格で、正直信じられないほどです。それだけに、勝てた充実感は大きいですね」

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