女子W杯開催国フランスの“なでしこJ評” 「3-1」のスコア以上に苦戦した攻防とは?
ディアクル監督は「ポゼッションを狙ってくるのは分かっていた」と日本対策に言及
なでしこジャパン(日本女子代表)は4日、FIFAランキング4位のフランス女子代表と国際親善試合を行い、1-3で完敗を喫した。
会場となったオセールは、ワインで名高いフランスのブルゴーニュ地方にある人口約3万5000人の小さな街。しかし、男子のAJオセールは国内リーグ優勝経験もある名門で、元フランス代表FWエリック・カントナがプロデビューしたクラブでもある。現在はリーグ・ドゥ(2部)に所属しているが、サッカー専用のアベ・デシャン・スタジアムは、街の成人が全員収まる1万8000人のキャパシティを誇る。普段のリーグ戦では、1試合平均約5000人の観客数だが、フランス対日本戦には、ほぼ満席の1万5000人以上が詰めかけ、ウェーブが巻き起こるなど、注目度の高さをうかがわせた。
今年6月、女子ワールドカップ(W杯)の開催国であるフランスにとっては、これが本大会前ラストの合宿。貴重なテストマッチの相手に組んだのが、2011年W杯優勝国で15年W杯準優勝の日本、そしてフィジカルに強くロングボール主体のデンマークだった。
コリーヌ・ディアクル監督は日本戦後の会見で、「ボールポゼッションを信条とし、それを得意とする日本相手に、その部分で対等にやれたこと」を収穫に挙げた。2011年、15年と過去2度のW杯出場を誇り、ロンドン五輪では日本との対戦経験も持つプレーメーカーのFWガエタヌ・ティネイ(パリFC)も、「日本はポゼッションを狙ってくると分かっていたので、その部分できっちり対応できていたと思う」と日本の長所を消す戦いをポイントに挙げた。
2月28日のドイツ戦(0-1)で、昨年3月のイングランド戦(1-4)以来1年ぶりに敗戦を喫していたフランスには、日本戦に勝利して自信を回復したいという意図があったのだが、「ドイツ戦に比べて、テクニック面で崩れる場面も少なかった。(今日の試合のように)テクニック面が向上したうえに、勝利への意志、ゲームプランへの信頼が加われば、求める結果を出すのは難しくないと確信できた」(ディアクル監督)と、狙い通りに自信を手にした。