「歯車が狂ったら…」 なでしこ高倉監督、フランス戦完敗に感じた“パワー不足”

なでしこジャパンは、フランスと国際親善試合を行い、1-3で敗れた【写真:AP】
なでしこジャパンは、フランスと国際親善試合を行い、1-3で敗れた【写真:AP】

女子W杯開催国のフランスに1-3で敗戦 「すべてにおいて後手に回り」巻き返せず

 なでしこジャパン(日本女子代表)は現地時間4日、欧州遠征の第1戦でフランスと国際親善試合を行い、1-3で敗れた。女子ワールドカップ(W杯)開催国相手の完敗に、高倉麻子監督は試合後、「良いところなくやられた」と悔しさを滲ませた。

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 日本は前半3分、ゴール前にクロスを上げられると熊谷の上からフランスFWヴァレリー・ゴヴァンに打点の高いヘディングシュートを放たれ、GK山下杏也加(日テレ・ベレーザ)がファインセーブでストップと思われたが、ボールがラインを越えていたとして先制を許してしまった。

 フランスの攻守にバランスの良いサッカーの前に、ほとんどチャンスを作れなかった日本は前半24分、この試合で最初の決定機をゴールにつなげた。MF杉田妃和(INAC神戸レオネッサ)が左サイドから中央にグラウンダーのパスを出すとFW小林里歌子(ベレーザ)がスルー。フリーになったMF中島依美(INAC)がダイレクトでシュートを狙うと、GKが弾いたボールに小林が詰めて同点に追いついた。

 しかし、フランス優勢の流れは変わらず、前半33分には左コーナーキックがファーサイドに流れたところからの折り返しをMFウジェニー・ルソメールにボレーで叩かれ、これがMF三浦成美(ベレーザ)に当たってコースが変わりゴールに吸い込まれた。

 高倉監督は1-2とビハインドを背負って迎えたハーフタイムで、「自分たちのミスからゲームを潰している。判断も遅いし、準備も切り替えも遅いと話した」という。後半16分からはMF宮川麻都(ベレーザ)とFW菅澤優衣香(浦和レッズレディース)を投入したが、状況は好転できなかった。

 ほとんど攻撃の形が作れないなかでも守備ブロックは耐えていたが、同37分にフランスは右サイドを途中出場のMFデルフィーン・カスカリーノが突破して強烈なシュート。一度は山下が弾いたものの、こぼれ球をMFカディディアトゥー・ディアニに押し込まれ、1-3で敗れた。

 試合後、高倉監督は「後半は自分たちからアクションを意識していたと思うけど、引っかかるのが多かった。相手のちょっとしたスピードや足が伸びてくるところに対して、少し怯んだかなというのもあります。そうでなかったとしても、とにかく自分たちのリズムでボールが回らない。すべてにおいて後手に回っている。まあ、完敗かなと」と振り返った。

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