ハリルJの本田は世界標準のエースなのか? 「3.3%」の数字が示す危険な兆候

背番号4への依存度を高めたシリア戦

 日本代表が自国開催以外のワールドカップで初めてベスト16に進出した2010年南アフリカ大会では、本田圭佑はエースに相応しいプレーぶりをデータで示していた。チーム全体で3本に1本のパスが、彼を経由して回っていた。その大会を機に日本のエースに成長し、ACミランの背番号10を背負うまでに成長したが、2014年のブラジル大会では全体のパスの10%弱、つまりイレブンの1人としてのパスの集まり方しかしていなかった。

 しかし、データを見る限り10月8日のワールドカップ・アジア2次予選のシリア戦では本田への依存度が再び高まってきたように見えた。

[図1]

 図1

 [図1]は、シリア戦で1試合を通して10本以上パスが通ったものを表している。槙野智章と吉田麻也のセンターバック間で12本のパスが行き来している。また吉田から長谷部誠にも10本のパスが渡っている。しかし最もパスを受けているのは本田だ。酒井高徳、長谷部、山口蛍から10本以上のパスを受けている。4-2-3-1の前の4枚の間で回った121本のパスのうち51本、すなわち42%は本田絡みとなった。ダブルボランチを加えても25%は本田経由だった。

 本田の関わりが増えると同時に、試合内容を見ても結果を見ても、これまでの2次予選3試合の「勝ってはいるけど、何かすっきりしない」という状況が少しは改善されたように感じた。圧倒的な実力差のある格下相手に、本田はエースらしさをデータ上で示していた。

 

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