14位に低迷の王者ユベントス 指揮官が切望する「カッティヴェリア」とは
テベス、ビダルが体現していた駆け引きの妙
この“カッティヴェリア”という言葉は、日常会話で使えば「悪意」という意味になる。いわゆる“意地悪”な行為に対して使われる言葉であり、サッカー用語ではずる賢さや相手を出し抜く行為に使われる。例えば、中盤で相手のカウンターの芽を摘むファウルなどもそうだ。イタリアでは、サッカーに対しては押しなべて好意的な意味で捉えられる。日本のサッカーシーンで使われる言葉では「マリーシア」に似た意味合いになるだろうか。
リーグ4連覇中の絶対王者を率いる指揮官は、そうした駆け引きの部分の欠如を嘆いた。確かにユベントスがペースを握った後半の攻撃は、テンポ良くパスがつながる美しさがあったが、どこか力強さに欠けた。多くのCKこそ得たが、両チーム合わせて8枚のイエローカードが出るようなゲームでありながら、ユベントスが直接ゴールを狙える位置からのFKやPKを獲得する場面はなかった。
昨季まで所属したアルゼンチン代表FWカルロス・テベスやチリ代表MFアルトゥーロ・ビダルは、そうした“ピリ辛”とも表現できる駆け引きの妙を持っていた。
インテルは、トップ下に入ったステヴァン・ヨベティッチがユベントスDFのファウルを誘発し、危険な位置でセットプレーを得ていた。一方のユベントスは、全体的に正直すぎたとでも表現できるのだろうか。そうしたところに、アッレグリ監督は物足りなさを感じたのだろう。