クロップ監督の愛弟子が断言 「愛のビンタがリバプールを覚醒させる」
勝利を目指して限界まで戦えるか
巨漢のドイツ人を名将たらしめるものは、緻密な戦略、明晰な頭脳、ガッツの3つが絡み合っているという。そしてクロップ式は、まるでラグビーかアメフトという、フルコンタクトスポーツの世界のような荒々しさだという。
「荒々しさというものにはいろいろな分野があるけれど、アメリカンフットボールやラグビーワールドカップで目にするようなものかもしれない。選手と頭をぶつけ合い、平手打ちにする。やりすぎにはならないけれど、仲間同士がお互いを鼓舞するようなやり方なんだ。勝つために、彼は選手の頭の中に入り込もうとする。彼は限界まで体を動かすことを、全員に求める。それが彼の呪文だ。1人は全員のために、全員は1人のために。これを理解できない選手は、すぐに戦力から外されるだろうね」
「ゲーゲンプレス」というクロップ監督の戦術は、前線でボールをロストした瞬間に相手のボール保持者に一気に圧力をかけて、ボールを奪い返す。その勢いを背に、一気にカウンターになだれ込む。体力的な消耗の激しい戦術は、味方のために自己犠牲の精神を発揮することが必要だ。
こうしたクロップイズムを理解できない選手は、戦力外になるという。自らのスタイルを「フルスロットル・フットボール」と語るクロップ監督は、愛に満ち溢れたビンタで眠れる名門の闘志を呼び覚ます。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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